紫紺の舞台に梅紫の零れ落ち、
残響に続く低音の群が忍び寄る。
鶯の飛び立つ鼓動に気をとられ、
草葉は風を与えられ、そのとき
心は空を見上げて雲に叫ぶ。
無数の形態、対をなして眼は光る、
それらをぼくは捉えていた。
近づけば遠ざかり、
避けんとすれば、強まる光り。
地に立つ像の哀しみに
深く沁み入るように
天蓋を徐に閉ざしていく。
歪みの糸を紐解いて、
一体何を見るのだろう。
終幕の先を垣間みて、
一体何が居るのだろう。
心に鏃の突き刺さるとき、
照明にその血衣を見せつけて、
彼方の露は海へと変わる。
言葉を貴方に投げかけて、
自由曲線に遊ぶ音の波は、
果たして不合理の塵となる。
貴方、と呼んではみたものの、
まるで自分を呼んだみたい。
言葉は消えて、貴方は返され、
そしてぼくはただ一人。
仰げば目眩の起こる空高く、
鶯色に変わる舞台に絶えず、
ぼくは引き出され、
無形の衆群をそこで見る。
待ってましたと言わんばかりの、
拍手がまるで矢束になって突き刺さる。