師走の果てに事を遂げた。人間関係の複雑で曖昧な深淵に入り込んでしまった。そこに湧き出る獣の息吹を避けんとすれば、なにかを壊してしまう。張りつめた無数の糸が気づかぬうちに肌へ触れんばかりであった次第、恐ろしかる夢から醒めんとする勢いに身を任せるのでしかなかった。
ぼくがもう少し、明瞭な形であればよかったのだ。雲散の奥方より声を響かせては、終極なき宇宙へと浮かびまわる身姿を生んでしまう。それではいけない。巳年の果てに、どうやら形無きを得てしまったようだ。それではいけない。地平線を手で掴んで、生まれ変わりたい。水流の淀みから、生まれでたい。
無形の様態に幸いにも生き血が流れるのであれば、どうか来る境を一つ、有形変態への契機とす。