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潮時

核を揺さぶる重大事の、鈍よりと知らぬところで進行するような雰囲気が、此処にある気さえする、そうしたところに、どんな花が咲くだろう。何を求めて茎を伸ばそう、ここは陽の届かぬ場所。果ての充溢を如何に発散させよう、静寂を通る生命のリズムが、ただその仕事の為だけに音を鳴らしている。強く、弱く、虚しさの波を打つ。其処に在る多くのものが、それに従うように潜みがちに佇んでいる。人の既に居ない沈みゆく船のように私はもう、私自身、泥沼となってしまうのだ。人間の日常の、一刺激にすらならないものへと還っていく。私と君とを結ぶ関係が、たった一つの棘によって、次第次第に朧げとなって消失する。余力を無力に放ちながら沈没する。かつて私も棘であったやもしれない、或いは棘であり得るか。生命のリズムが、花と太陽とを共に抱き合わせるように、私と私の運命が重なり合うその時を、さながら月の沈むに、闇の衣の引かれるように移り行き、私はここでない別の空間で、静かに育むのだ。