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夜に鳥と

浮き足起って蹌踉めく鳥よ
その枝の先きに何を見るか
お前の脚を確たるものに仕立て
その細々しい枝の途を鮮明にする
太陽が濃く深き暗夜の帳をいま上げよう
さてはそのとき
あのとき見えた力強い意志が
その煌々たる陽を浴びて
どのように悄気返るだろう
かつて愛が底より沸き立つばかりであったふたりが
長い夜の静けさに事冷めて
別離の涙で雨を降らすだろうか
それとも眠りから醒めた時分
かつてない程の陽光が万物を
冬の雪景色さながら真白に燃やし尽くすなら
そのときお前は飛び立つか
赤子のように柔らかな鳥よ
お前の初心声が物になるとき
過去と未来とは
もはや比べられない気がするのだ


日常

毎日死んでいるけれど
未だに天使様とやらは降りてこない
あれ、そこの悪魔さん
今日も鯔背な衣装をしているね


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未だ鮮やかな衣を纏った果実のように 私と彼は
同じ方向へ身体を遣って一体何を感じているものか
誰にも解りはしないものだ
皆々天井へ近づくといって
誰もがそれを望んでいるのでもない
想像しよう かくなる上の天上の
雲間を抜けた広大な景色を
そこに色彩り豊かな果樹園が
設計通りの造形を成して私を呑み込むだろうか
嗚呼、哀れ! 眼上広がる触れ得ぬ天井に思いをば馳せて
脚元軽くなったと応えるならば
その声の主 身の冠を忘れてはならぬ
取るに取れない重き頭が脚となって
不毛な砂漠を鳴らすように歩き回るのだ