月も雲の衣に隠れたか。夜空は寂しい。
人気のなくなった通りを買物袋下げて、
待ち焦がれて静閑たる木立の通りを歩いていく。
何を待っているかは知らないが、
ものを言いたそうな様子をして、
そうしてずっと吐息を張らす。
何か言葉にしてごらん、と、それから、
貴方の言葉を聞いてみたい、と言った。
それにしても、今日は寒い夜だった。
町の広い空を見ながら、
自分の足音だけを聞いて歩き、急に立ち止まって、
水面の波のように音が余韻を落とすとき、
わっと出てくるものがあった。
それからまた歩き続けた。
足りないものを補おうとして、
黙々と夜は過ぎていくのだろうか。
フィナーレはいつも、遠くで鳴っている。