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個性というもの

身に過ぎる恋の為に、兄姉の当然の気遣いの為に、我が身の未熟の為に、私はとても苦しくなる。その生きづらさは平凡なそれだのに、私はどうかして心臓の打つような苦しみを纏っているという気でいて、我儘が私の衣であるとさえ思ってしまう。私はどうしてこうなのか、そうした抜け口のない疑問に締めつけられてしまう。未熟が未熟のままに成長していくのは、私の所為なのか? 私の所為で、他人どころか自分までも苦しめている。私は爪を噛み続け、声はひ弱に、言葉はまるで鳩の群れ、疎らにパン屑を追い求めるような技巧ちなさ。人はこれを兎角性格だの個性だのと認めるが、そして私もそれへ乗ずるが、あゝ己が性質を見誤るな。脱げ、脱げ、脱げ、所構わず生え茂った雑草を抜くように。我が身に因んだ人格が、土深く、真っ暗闇へ本性を押し込めた。私に基づく限り、そんな野性は根絶やしにすべき。