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夜中

布団に横たわる二人の中で、深夜に目の醒めた私は黙っている、寝息を立てる彼女、カーテン越しに聞こえる雨脚の強い音。またそれらを、隣に寝ているこの子の呼吸が束ねて包む。心の中の遣らずの雨が、言葉の後尾に固着して、このへんを流れて消える。小雨に変わる暁に蒙昧な意識は働かず、小石のように落ちてくる小鳥の鳴き声でふと、起き上がる。眠れる友人を起こさぬように、洗面所へ立ち、顔を洗う。諸々の平凡の最中にあって、着々と育まれる秋の生命が鏡の奥に見える。