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移ろい

鎧山から見下ろす雪野原に、点として燃える星たちが、人の営みに影を与えている。あそこに夏の懐かしさ、ぱちぱち鳴らして走り去る閃光の花。向こうの川を流れる想い出の紅葉が、冷たい水に触れる少女の手許に乗った。それは遠いかなたの恋人へ瞬時に送られる、その、なんという愛の翼が羽ばたき、瞬きの内に彼らを包むだろう、なんという網状の構造体がわれわれの生活を貫いて、滑走する闇夜のように広がるだろう、涙は流れ、世界の拡大する手から零れ落ちるかつての約束が、まるで幻想のように砂漠に煌めく。