僕が選んだこの席は、隣の席から程遠く。
如何に巨細な出来事も、目前に隈無く詰まりきり、
如何に微細な音響も、両耳の奥底まで擽りにくる。
如何に親しくとも友人よ、君の声は聞こえやしない。
何にも見えやしない真っ暗闇の空間は、これが合図。
脚のあるという感覚が止め処なく現われ、
それでも安静の型を探して果てしなく、
そのとき身近な音があり得ない現実を帯びて響く。
仮睡の夢に既に落ち着く、相思相愛なる恋人よ、
夢に遠く、染み入る蜂針をもって、
現に遠く、ほんのり痛みをあたえ、
囁きは頭骨の隙間から、
叫びは望遠の辺境から、
仮初めに強く呼び起こされる。
スクリーンはじっとして、
いつかの涙も、盛大な笑いも、
淡々と引き受けて、僕に対して、
いつも同じように振る舞っている。
スクリーンと僕の席との関係は、
確固たるものでありながら、それに乗じる僕は、
未だに不安定で、落ち着かない。