天体の表皮で温々と過ごすのを止め、屋根へ登って星を眺める。風が強く吹くのに髪が靡く。揺れぬ心は此処にぞある。浪速の影もじっとして、溶け込む夜明けを待っている。朝露を抜ける陽光に、揺らぐ未来が見えるその時を、果たして如何に受け止めるのだろう。何処からカレーの焦げた匂いがする。時計の針の動く音。波の愉楽を摘んでは砂のように更々消えてゆく、そのときの感覚は常に研ぎすまされるようだ。彼方の灯火、経験に乏しき小娘が、何の説明もない青年になにかを求めている。揺れる、消える、仄かに囁く秘密のひと味。外より忍ぶ制約の厳しさから、暗路の途上で作用する一つの自然があった。どうしてまた、彼方なのか。私は訊く。少し経って応えたものがあった。目を閉じて、安癒に沈んだ。この冬、何が生死を区別するだろう。私はアンプのボリュームを慎重にしぼっていくような気持ちを持っていた。アーティストの名前は忘れたが、レインコートという名前の曲だ。それが時に浮かんでは消えていった。接吻、故にまた炎が、時折背中を広がっていき、燃え尽くそうとする、心をか、それとも。辺りが眩しく燃えだした。