寂寥の時を紛らわそうと、私は身体の中のものを出そうとする。私を守るように、汗が体全体に広がるのを鋭敏に感じる。快感が衝と身を突き起こす。私の眼の先きにあるような、魅惑的な幻。終いには消え去ってしまう先導の天使たち、何処まで深く、私を至らしめるのか、そうして、何処へ?恍惚、目眩、時間は透明となったように見えてこない......
こうしていても、お望みの喜悦とやらは遣ってこない。分かってはいるが、感情の表出を別の形で紛らわす、それで救われることもあって、そう思うと、前進という意志の下に掲げられる精神が、その意志を充分に満たすなどと云うことは必ずしも有り得ない。私は如何なる人間に対しても真面目な判断を心がける。要するに其処では、誰もが私以上であることは決してない。私は自分の中の全てを出し尽くしたく、そう思うと今日は、どうも抑制が効かない、抑々その必要を知らない。なるだけの残滓を一日と云う今日が吸い尽くしてくれないだろうか。唯々そう思って陽のもと月光のもと、私は精力を欠いた為体をして、寂しさと不安から免れようとしている。私に付き纏う人生、萬彩の人生が、鬱陶しい。と、私の魂はそう言うが、私の身体はそれへ関与すべきでない。しかし、どうやって。
大きな羽をひろげて夜が来た。ふたたび、彼処の悦楽が微笑んでいる。私が求めているものの、幻影が。