archiv

無尽の瞳

君の瞳を覗けば、まるで絵画。
そこに山があれば私は旅人となり、
そこに畠があれば私は愉快な小童となり、
そこに海があれば私は明日に黄昏れる青年となる。

旅人は振り向くことなくただ先を歩み、
小童は無我にひたすら飛ぶ鳥を追いかけ、
青年はぼんやりと日没のうちに明日をみる。

私が旅人となれば人は彼自身の影を憂い、
私が小童となれば人は情欲に足踏みし、
私が青年となれば人は土を掘り返す。

旅人の行く先鋭に乱散の風裂く陽天の船首ありて、
小童の駆ける空に色濃く染むる夕べ模様、
青年の燃ゆる心に私は尽き果てる。
君の手に触れて、仄か夢の痕。