死生学
カフェオレのミルクの線密な泡に、自ずから突っ込んだのか、頭隠して尻隠さずとでも言いたげに、間抜けな虫が一匹埋まっていた。もはや死んでしまったかのように見えたが、泡に包まれた状態の虫を紙に包んで観察すると、目が覚めて今さら事態が掴めたという様子で動きだし、虫はそこから抜け出そうとする。なんともいえない偶然も、彼にとっては禍い事だが、しかし此処に悪魔はいやしない。生きてるうちにすべてを我がものにしたいと思うだろう。さあ、立ち上がって、そして去れ。此の世は儚い、か。死よ、あなたのテーブルは、私のとなりですよ。